鉄の血

　1961　上野駅　特急はつかり　C6238

　私のアルバムに張られている、親父が撮った特急はつかりの上野駅発車シーンです。隣に私が写った写真もありますが...鉄の血は親父譲りです。親父は内田百閒の阿房列車が愛読書で、撮り鉄よりも乗り鉄でした。小学生５年の時の播但線、６年生の大畑ループの乗り鉄は親父が企画してくれたものでした。それがなかったら私の鉄はなかったと思います。中学１年の北海道撮影の時は駅寝と夜行列車で風呂にも入ってなかったのですが、親父が突然現れて長万部の温泉に泊まった時の嬉しさは今でも忘れません。親父と一緒に行った撮り鉄は後にも先にも１９７６年３月の最後の追分駅の９６００の１回だけです。残念ながらその時の写真は行方不明ですが、吹雪で飛行機が千歳空港に降りれなくなりそうで冷や冷やでしたが、最後の蒸気機関車を堪能できました。考えてみればそれ以降親父と二人で旅行したのはそれが最後でした。親孝行もろくにしない息子でしたが、鉄の血を引き継げたことだけは誇りです。

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